体幹・脊柱の機能障害  

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手足に異常はなくても、胴体部分に異常があって、日常動作に不自由が出る場合があります。

その場合、体幹・脊柱の機能障害として認定されます。

この記事では、体幹や脊柱の障害について解説します。

1.体幹機能の障害(高度体幹麻痺)

体幹障害として認められるのは、脊髄性の小児麻痺や、脳性麻痺によって、「高度体幹麻痺」による機能障害が生じた場合です。

この「高度体幹麻痺」によって、座ったり、立ったり、歩いたりすることができなくなった場合は、障害年金の対象になります。

1-1.座っていることができない場合

「座っていることができない程度の障害」は1級に該当します。

具体的には、腰掛、正座、あぐら、横すわりのいずれもできないものをいいます。

1-2.立ち上がることができない場合

「立ち上がることができない程度の障害」は1級に該当します。

寝転がった状態、座った状態から「自力で」立ち上がることが出来ないため、柱や杖を使ったり、誰かの補助が必要な状態をいいます。

1-3.歩くことが出来ない場合

「歩くことができない程度の障害」は2級に該当します。

こちらも「自力で」歩けない場合をいいます。「全く歩行できない」という状態ではありません。

「伝い歩きなどで、家の中は歩けるけど、外は歩けない」「杖や松葉杖、補助用具を使って歩ける」という場合でも該当します。

1-4.体幹障害の注意点

体幹障害は、実務上認められないことが多いです。

例えばがん等で筋肉が衰弱していて、立ち上がることができなくなったような場合でも、体幹障害としては認められません。

その障害が「体幹の麻痺によって」生じたかどうかがポイントになります。

2.脊柱機能障害

脊柱の機能障害は、脊柱の脱臼骨折や強直性脊椎炎等によって生じるものです。

脊柱が体を支えられないくらい重い障害を「荷重機能障害」といいます。

体は支えられるものの、脊柱の動作に支障がある場合を「運動機能障害」といいます。

2-1.荷重機能障害

荷重機能障害とは、「脊柱が体幹を支えることが出来ない」障害です。

以下の5動作について「一人でできるが非常に不自由」になっている場合は、日常生活に著しい制限ありとされ、2級に該当します。

・ズボンの着脱

・ 靴下を履く

・ 座る(正座、横すわり、あぐら、脚なげ出し)

・ 深くおじぎ(最敬礼)をする

・ 立ち上がる

 

2-2.運動機能障害

運動機能障害は、主に「頸部(首)」と、「胸腰部(腰)」が測定されます。

パターンとしては以下のいずれかになります。

・前屈・後屈運動に支障がある

・脊柱全体に運動障害があるため、回旋・側屈に支障がある

可動域が1/2以下になっている場合、3級に該当します。

可動域が3/4以下になっている場合、障害手当金に該当します。

2-3.脊柱障害の注意点

脊柱の運動機能障害については、認定基準に以下の記載があります。

傷病の部位がゆ合してその部位のみについてみると運動不能であっても、他の部位が代償して脊柱に運動障害は軽度あるいはほとんど認められない場合が多いので、脊柱全体の運動機能、すなわち、前記イのような日常生活における動作を考慮し認定する。

脊柱の場合、一部が完全に動かなくても、他の部分が動く場合「脊柱自体の運動は問題ない」と判定されることが多いようです。

したがって、「ズボンの着脱」「靴下を履く」「 座る」「深くおじぎをする」「立ち上がる」等の動作が出来るかどうかも審査には重要になります。

3.まとめ

この記事では、体幹・脊柱障害についてまとめました。

実務上、体幹障害の基準が使われることはあまりありません。認定基準の範囲が狭いためです。

ただ、体幹に異常が出ている場合、肢体や神経の障害で請求していくことも出来ます。

認定基準をざっくり読んで、自分には該当しないと諦めてしまう方も多いですが、まずは専門家に相談することをお勧めします。

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