高血圧は障害年金の対象になるのでしょうか。
結論を先に言いますと、障害年金の認定基準には「単に高血圧のみでは認定の対象とならない」と明記されています。
しかし、高血圧は脳梗塞や心臓病を初めとした種々の症状を引き起こします。
ですから、障害年金と高血圧は切り離せない関係にあります。
具体的に対象となる高血圧とはどのようなものなのでしょうか。
1.高血圧が疾患を引き起こした場合
おそらく最も多いパターンだと思われます。
高血圧によって、脳や内臓に症状が出て、障害状態になる場合です。
注意点
注意しなければいけない点は、「高血圧は初診日にならない」ということです
2.高血圧そのものが障害に該当する場合
高血圧については、認定基準があります。
原則として血圧の数値の他、発作や合併症の有無、眼底検査の結果などによって認定されます。
2-1.1級相当の高血圧(悪性高血圧症)
1級相当として認められるのは、悪性高血圧症のみです。
悪性高血圧症は、「高血圧緊急症」という名前でも呼ばれます。
血圧の異常な上昇によって、内臓や動脈に急性の障害が起こるため、命の危険が起こるレベルの疾患です。
障害年金の基準においては、以下の条件を満たす必要があります。
- 拡張期性高血圧が高いこと(下で120以上)
- 眼底所見分類Ⅲ群以上
- 腎機能障害が急激に進行し、放置すれば腎不全にいたる
- 全身症状の急激な悪化を示し、血圧、腎障害の増悪とともに、脳症状や心不全を多く伴う
<眼底所見分類> ※クリックで拡大
2-2.2級相当の高血圧
・1年内の一過性脳虚血発作、動脈硬化の所見
・出血、白斑を伴う高血圧性網膜症を有するもの
2-1.3級相当の高血圧
大動脈解離、大動脈瘤を合併した場合は、その時点で3級に該当します。
これらの合併がなくても、①②の条件を満たした場合、3級相当となります。
① 頭痛、めまい、耳鳴り、手足のしびれなどの自覚症状があり
②「1年以上前の」一過性脳虚血発作のあったもの、眼底に著名な動脈硬化の所見を認めるもの