相談時の状況(30代・女性)
幼少期に性的虐待を受けたことをきっかけに強い人間不信に陥りました。学校でも職場でも対人関係がうまくいかず、いじめやパワハラに遭いました。気分が落ち込むことが多く、腹痛や吐き気を頻繁に感じるようになり、トラブルが起こる度に自殺未遂を繰り返しました。
いくつもの病院を転々としましたが症状は改善せず、仕事も人間関係も長続きしませんでした。ついに働くことも出来なくなり、実家で家族の世話になっていました。
経済的にも困窮しており、なんとか障害年金の請求が出来ないかと相談にみえました。
社労士による見解
相談者は仕事も人付き合いも出来ず、ほとんど引きこもりのような状態で暮らしていました。
障害年金の請求が必要だと強く感じました。
受任してから請求までに行ったこと
ご本人からの聞き取りを終え、迅速に病院に書類を依頼いたしました。その後、書類一式を整え請求したところ、初診の病院が異なると言う理由から却下されてしまいました。審査請求まで争いましたが結果は覆りませんでした。
やむを得ず、年金機構が主張する病院を初診として再請求したところ、再び初診日不明で却下されてしまいました。これも審査請求まで争い、処分変更を勝ち取ることが出来ました。
結果
障害基礎年金の2級に認められました。
コメント
請求人が本格的に通院治療を開始したのは就職後の話でしたが、十代の頃に1か月ほど通院があるのでそちらの病院が初診である、というのが年金機構の主張でした。
初診日が厚生年金加入期間であったほうが請求は有利になるため、十代の通院はわずか1、2回であり、その後治癒したものと主張して審査請求まで争いましたが、残念ながら棄却されてしまいました。
その後、年金機構が主張する方の病院を初診として障害基礎年金を再請求いたしましたが、なぜかこれも却下されてしまいました。
かなり理不尽な決定でしたが、最終的には覆すことが出来ましたが、年金の請求は一回失敗すると諦めてしまう方が非常に多いのですが、今回の相談者のように審査請求や再請求を何度も繰り返して受給につながったケースは珍しい例ではありません。