相談時の状況(50代・男性)
同僚と飲み会をしている途中、突然ろれつが回らなくなり救急搬送されました。脳梗塞と診断されて緊急入院しました。
退院後は記憶力や集中力が低下し、仕事や日常生活に支障が出るようになり、回復の見込みもないために退職が決まりました。今後の生活に不安を感じて同僚の方と相談にみえました。
社労士による見解
相談者はベテランの料理人でしたが、包丁が使えなくなり、コンロの火を消し忘れるなど今までできていた仕事が徐々にできなくなっていました。
日常生活も全面的に家族の援助を受けており、障害年金が必要な状況だと判断しました。
受任してから請求までに行ったこと
当初の相談内容は左手の麻痺についてのものでした。しかし麻痺の症状は比較的軽く、また詳しく聞き取り調査を行ったところ、言語能力や記憶力などにも異常が出ており高次脳機能障害の疑いがありました。
医師に高次脳機能障害の検査をしてもらうように勧めました。
検査結果では、肢体の機能障害よりも高次脳機能障害の症状の方が障害の程度が重いことがわかり、精神の診断書で障害年金請求を行いました。医師も快く協力して下さり、迅速に請求をすることが出来ました。
結果
障害厚生年金の2級に認められました。遡及も認められました。
コメント
脳へのダメージをきっかけとして出る障害には、肢体に関するもの、精神に関するもの、失語症や視覚障害など様々なものがあります。
請求にあたっては、体のどこに障害がでているかを聞き取り、その症状にあった診断書で請求していくことが重要です。
今回のケースは、聞き取り中に高次脳機能障害の症状があることが分かり、肢体から精神に切り替えて請求しましたが、場合によっては診断書を複数枚取って併合で等級を上げるような方法も存在します。
最も有利なやり方を取るためには、認定基準に精通している社労士に相談するのが確実だと思われます。