相談時の状況(30代・男性)
小さいころから忘れ物が多く友達も少なかった。
大学院を卒業して仕事をするようになると、仕事に集中できず、ミスが多かった。電話の対応も苦手で、仕事に優先順位をつけることができず混乱するようになった。
仕事中に上司から叱責されることが多く、仕事に対する不安や恐怖が強くなりなにをしたらいいのじゃわからなくなった。同期に比べると仕事も遅く、不安になり病院を受診するとADHDと診断され相談にみえました。
社労士による見解
障害者手帳も取得し、障害者雇用で就職したこともあり障害厚生年金3級相当に該当すると思いました。
受任してから請求までに行ったこと
初診日から5年以内だった為、初診の病院にカルテがあり、初診の証明書もスムーズに取れました。認定日請求をしようと試みましたが、その当時のカルテには障害年金を請求できる症状がしっかりと記載されていなかったため、急遽、事後請求に切り替えて請求しました。
生まれた時からの病歴申立書をしっかりと整理して請求できました。
結果
無事に障害厚生年金3級になりました。
発達障害の場合、子供の頃は学校などで忘れ物が多かったり、友達とうまくいかなかったり、空気が読めないなどで多少のトラブルはありますが病院を受診していないことがあります。
大人になって社会に出てから、仕事でつまずき始めて本人が発達障害であると気づく事もあります。今回のケースは社会に出て働いてからの初診でしたので障害厚生年金3級を受給することができましたが、もしこの方が20歳前に病気に気づき病院を受診していたならば、障害基礎年金しか受給できないため、3級では該当せず何も障害年金が受給でなかったかもしれません。
このように初診日によって障害年金が受給できるか受給できないかができてしまうため、初診日の確定の大切さを改めて感じさせられました。