精神の障害年金の等級判定ガイドラインについて 等級の目安 診断書の記載要領

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私が書きました
shiroki.sr

精神障害の認定方法については、ざっくりとこちらの記事で解説しました。

様々な要素がある中でも、日常生活能力判定と程度の評価が特に重要になるという説明をしました。

では、これらの評価はどういう基準で行われるのでしょうか。

この記事では判定方法についてさらに詳しく解説をしていきます。

 

1.日常生活能力判定と程度

精神障害の診断書では、「食事」「身辺保清」「金銭管理」「通院服薬」「対人関係」「危機管理」「社会性」の7項目を4段階評価します

さらに、日常生活能力程度を5段階で総合評価します

その組み合わせを「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の等級目安表に照らすと、概ねの等級の目安がわかります。                                                (目安と異なる等級になることもあります)

つまり「日常生活でどの程度問題が生じているのか」の判定を主治医が行うわけです。

当然ですがそのためには「日常生活上でどういう問題があるか」を医師に伝える必要があります。

では、どういう情報が診断書を書く上で手がかりになるのでしょうか。

 

2.日常生活能力の判定7項目

日常生活能力の判定は、「できる」「時に助言や指導を必要とする」「助言や指導があればできる」「できない」の4段階に分かれています。

この文言だけで評価すると、医師の主観によって判断基準が大きく異なってしまいますので、日本年金機構は「診断書の記載要領」というものを作成しています。

「こういう基準で診断書を書いてください」という例示をまとめたものです。

言い換えれば、「こういう問題点があったら医師に伝えましょう」という手がかりになるわけです。

 

2-1.適切な食事

※嗜癖的な食行動(たとえば拒食症や過食症)をもって「食べられない」とはしない。

1

できる

栄養のバランスを考え適当量の食事を適時にとることができる。                                                            (外食、自炊、家族・施設からの提供を問わない)

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

だいたいは自主的に適当量の食事を栄養のバランスを考え適時にとることができるが、時に食事内容が貧しかったり不規則になったりするため、家族や施設からの提供、助言や指導を必要とする場合がある。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

1人では、いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりするため、経常的な助言や指導を必要とする。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常に食事へ目を配っておかないと不食、偏食、過食などにより健康を害するほどに適切でない食行動になるため、常時の援助が必要である。

「食事は出来ていますか?」と医師に聞かれたら「はい、食べています」と答える人がほとんどだと思います。

ですが、この「適切な食事」は「もし一人暮らしをした場合、適切に栄養バランスを考えた食生活を送れるか」を確認する項目です。

「できる」というのは「食べることができる」という意味ではありません

自分の判断で献立を決め、適切に食事を摂る能力があることを言います。

ですから、家族から出される食事をただ食べているような場合、適切な食事ができる能力とはみなされません。

また、自分の判断で食事が出来ても、極端な偏食があったり、一日三食バランスよく取れなかったり、過食や不食があったり、同じものばかり食べているような場合は、やはり助言や援助が必要ということになります。

このように「食べられてはいるけど、問題がある」という場合、その問題点をしっかり伝える必要があります。

2-2.身辺の清潔保持

1

できる

洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等の身体の清潔を保つことが自主的に問題なく行える。                         必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除や片付けができる。                                                     また、TPO(時間、場所、状況)に合った服装ができる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

身体の清潔を保つことが、ある程度自主的に行える。                                                                             回数は少ないが、だいたいは自室の清掃や片付けが自主的に行える。                                                        身体の清潔を保つためには、週1回程度の助言や指導を必要とする。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

身体の清潔を保つためには、経常的な助言や指導を必要とする。                                                              自室の清掃や片付けを自主的にはせず、いつも部屋が乱雑になるため、経常的な助言や指導を必要とする。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常時支援をしても身体の清潔を保つことができなかったり、自室の清掃や片付けをしないか、できない。

「一人暮らしをした場合、部屋の掃除や片付け、身だしなみを整えることが適切に出来るか」を確認する項目です。

「掃除や洗濯、入浴はできますか?」と言われれば、たいていは「できる」と答えると思いますが、ここでは自主的かどうか」「適正に行えるか」が問われています

ですから、掃除や入浴をする能力はあっても、家族に声掛けをされないと何も出来ない、しない場合は「できる」とはなりません。

普段は掃除ができず、あまりにも部屋が汚くなったら仕方なく掃除するというのも自主的とは言えません。

外出の時だけ仕方なく入浴するが、普段は同じ服を着て風呂に入らないというのも適正とは言えません。

逆に、汚れてもいないのに強迫的に何度も掃除したり、一日何回も入浴してしまうというのも適正とは言えません。

なお、季節に合った服やTPOに合った服を選べるか、という点も評価に入ります。

2-3.金銭管理と買い物

※行為嗜癖に属する浪費や強迫的消費行動については、評価しない。

1

できる

金銭を独力で適切に管理し、1ヵ月程度のやりくりが自分でできる。                                                         また、1人で自主的に計画的な買い物ができる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

1週間程度のやりくりはだいたい自分でできるが、時に収入を超える出費をしてしまうため、時として助言や指導を必要とする。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

1人では金銭の管理が難しいため、3~4日に一度手渡して買い物に付き合うなど、経常的な援助を必要とする。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

持っているお金をすぐに使ってしまうなど、金銭の管理が自分ではできない、あるいは行おうとしない。

「一人暮らしをした場合、月の収入から適切な支出を計算し、計画的に生活することが出来るか」を確認する項目です。

自分で金銭管理をしていて、買い物も自分でしている場合であっても、金銭管理が「できる」とは限りません

浪費があったり、収支計算をそもそもしてなかったり、生活費が足りなくなり援助してもらっているような場合、「助言や指導が必要」ということになります。

また、「買い物が適切にできる」とは、自分の判断で適切な買物ができるかを問われています。

「近所のコンビニで決まった商品を買ってくることができる」「頼まれた買い物は出来ないが、自分の欲しいゲームなどは買える」というのは「できる」に入りません。

自分の判断で買物が出来ても、衝動買いをしてしまったり、食材を買いすぎてしまうような場合は、適切に行えているとは言えなくなります。

2-4.通院と服薬

1

できる

通院や服薬の必要性を理解し、自発的かつ規則的に通院・服薬ができる。                                                   また、病状や副作用について、主治医に伝えることができる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

自発的な通院・服薬はできるものの、時に病院に行かなかったり、薬の飲み忘れがある(週に2回以上)ので、助言や指導を必要とする。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

飲み忘れや、飲み方の間違い、拒薬、大量服薬をすることがしばしばあるため、経常的な援助を必要とする。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常時の援助をしても通院・服薬をしないか、できない。

一人で予約の日に適切に通院し、規則正しい服薬、医師との意思疎通が出来るか」を確認する項目です。

症状がどんなに重くても、通院や服薬はなんとかできている人が多いと思いますが、必ずしもこの項目が「できる」になるわけではありません。

誰かの付き添いや管理があって、初めて適切な通院服薬が出来ているという場合は「経常的な援助が必要」ということになります。

例えば一人で通院が出来ていても、予約日が覚えられず通院日を家族に管理してもらっているとか、声を掛けないと通院しないような場合は「自発的に通院が出来ている」とは言えません。 

医師に自分の症状を伝えられない、医師の説明が理解できないような場合も同様です。

また、薬の飲み忘れ、飲み過ぎなど決められた通りに服薬ができていない場合や、自分の判断で大量に薬を飲んだり拒絶してしまう場合も「助言や指導が必要」となります。

2-5.他人との意思伝達及び対人関係

※1対1や集団の場面で、他人の話を聞いたり、自分の意思を相手に伝えたりするコミュニケーション能力や他人と適切につきあう能力に着目する。

1

できる

近所、仕事場等で、挨拶など最低限の人づきあいが自主的に問題なくできる。                                             必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。                                                                                    友人を自分からつくり、継続して付き合うことができる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

最低限の人づきあいはできるものの、コミュニケーションが挨拶や事務的なことにとどまりがちで、友人を自分からつくり、継続して付き合うには、時として助言や指導を必要とする。                                                      あるいは、他者の行動に合わせられず、助言がなければ、周囲に配慮を欠いた行動をとることがある。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

他者とのコミュニケーションがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちである。                                     友人を自分からつくり、継続して付き合うことができず、あるいは周囲への配慮を欠いた行動がたびたびあるため、助言や指導を必要とする

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

助言や指導をしても他者とコミュニケーションができないか、あるいはしようとしない。                               また、隣近所・集団との付き合い・他者との協調性がみられず、友人等とのつきあいがほとんどなく、孤立している。

「他人との円滑なコミュニケーション能力」を確認する項目です。

単に会話ができるという能力ではありません

食事と同じく、コミュニケーションは「全くできない」という人はほとんどいません。

「できるけど問題がある」というケースが多いため、何が問題かをしっかり考え、伝える必要があります。

一見すると普通に話せても、あいさつや事務的な会話しかできなかったり、会話は出来るけど空気を読まない言動などでトラブルになってしまう人などは、助言や指導が必要ということになります。

他にも、話したいことを一方的に話す、多弁になる、相手の気持ちを察することができないような場合には、配慮を欠いた行動ということになります。

また、家族とは話が出来るけど、他人とは全く話せないという場合は「できない」ということになります。

2-6.身辺の安全保持及び危機対応

※自傷(リストカットなど行為嗜癖的な自傷を含む。)や他害が見られる場合は、自傷・他害行為を本項目の評価対象に含めず、⑩障害の状態のア欄(現在の病状又は状態像)及びイ欄(左記の状態について、その程度・症状・処方薬等の具体的記載)になるべく具体的に記載して下さい。

1

できる

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しており、事故等がないよう適切な使い方・利用ができる。                 (例えば、刃物を自分や他人に危険がないように使用する、走っている車の前に飛び出さない、など)             また、通常と異なる事態となった時(例えば火事や地震など)に他人に援助を求めたり指導に従って行動するなど、適正に対応することができる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しているが、時々適切な使い方・利用ができないことがある。           (例えば、ガスコンロの火を消し忘れる、使用した刃物を片付けるなどの配慮や行動を忘れる)                      また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり指示に従って行動できない時がある。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

道具や乗り物などの危険性を十分に理解・認識できておらず、それらの使用・利用において、危険に注意を払うことができなかったり、頻回に忘れてしまう。                                                                                        また、通常と異なる事態となった時に、パニックになり、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができないことが多い。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しておらず、周囲の助言や指導があっても、適切な使い方・利用ができない、あるいはしようとしない。                                                                                                         また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができない。

自分で自分の身を適切に守れるかと言う点を確認するものです。健常者なら配慮できる点に注意を払えないという点が問題になります。

刃物を無造作に扱う、ガスコンロの火を消し忘れる、危険な運転をする、車道に近寄る、鍵をかけずに家を出るなど、普通はやらないことをあまり自覚がなくやってしまう場合は、安全保持の上で大きな問題になります。

また、通常と異なる災害や事故などが起きたときに周囲に適切に助けを求められるか指示に従って行動できるかという点も重要です。

大きな交通事故が起きたり、急病人が出たり、電車が止まってしまうなどのトラブルがあった時に、きちんと自分の判断で適切に行動できるか、パニックになってしまって何もできないかという点が問題になります。

2-7.社会性

1

できる     

社会生活に必要な手続き(例えば行政機関の各種届出や銀行での金銭の出し入れ等)や公共施設・交通手段の利用にあたって、基本的なルール(常識化された約束事や手順)を理解し、周囲の状況に合わせて適切に行動できる。

2

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用について、習慣化されたものであれば、各々の目的や基本的なルール、周囲の状況に合わせた行動がおおむねできる。                                                                       だが、急にルールが変わったりすると、適正に対応することができないことがある。

3

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、各々の目的や基本的なルールの理解が不十分であり、経常的な助言や指導がなければ、ルールを守り、周囲の状況に合わせた行動ができない。

4

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、その目的や基本的なルールを理解できない、あるいはしようとしない。                                                                                                                  そのため、助言・指導などの支援をしても、適切な行動ができない、あるいはしようとしない。

社会活動を行う能力を見る項目です。

銀行や役所の手続き、公共交通機関の利用などで、どのような問題が生じるかを見られます。

例えばATMの操作は出来ても、窓口での複雑な手続きは面倒で放置してるとか、時におろしたお金を忘れてしまうと言うことになれば、適正に対応できているとは言えなくなります。

役所でも、人が多いと順番待ちが出来ずに帰ってしまったり、施設内でパニックになったり、窓口でトラブルを起こしたり、しなければならない役所の手続きを放置してしまうような場合は、「必要な手続きが出来ていない」という事になります。

電車に乗っても、遅延にパニックになったり、一人では電車やバスが利用できなかったりする場合は、社会性があるとは言えなくなります。

3.日常生活能力の程度

日常生活能力をまとめて5段階で評価する欄です。どこにチェックされるかによって等級を左右する最も重要な項目です。

同じく、まずはどのような基準で判定されるかを、記載要領から見ていきます。

※本項目について、「①障害の原因となった傷病名」欄に知的障害が含まれる場合(又は発達障害などで知的障害を伴っていて、《知的障害》欄の方が本人の状態を適切に評価できる場合)は本項目の《知的障害》欄で判定し、①欄に知的障害が含まれない場合は《精神障害》欄で判定してください。

 (1)

精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

〇適切な食事摂取、身辺の清潔保持、金銭管理や買い物、通院や服薬、適切な対人交流、身辺の安全保持 や危機対応、社会的手続きや公共施設の利用などが自発的にできる。あるいは適切にできる。

〇精神障害を持たない人と同じように日常生活及び社会生活を送ることができる。

 (2 )

精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。

〇(1)のことが概ねできるが、時に支援を必要とする場合がある。

〇 一人で外出できるが、過大なストレスがかかる状況が生じた場合に対処が困難となる。

〇日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難が生じることがある。                                                                    身辺の清潔保持は困難が少ない。                                                                                                                                                        ひきこもりは顕著ではない。                                                                                                                                                              自発的な行動や、社会生活の中で発言が適切に出来ないことがある。                                                                                                          行動のテンポはほぼ他の人に合わせることができる。                                                                                                                              普通のストレスでは症状の再燃や悪化が起きにくい。                                                                                                                                金銭管理は概ねできる。                                                                                                                                                                    社会生活の中で不適切な行動をとってしまうことは少ない。

(3)

精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。

(1)のことを行うためには、支援を必要とする場合が多い。

〇例えば、医療機関等に行くなどの習慣化された外出は付き添われなくても自らできるものの、ストレスがかかる状況が生じた場合に対処することが困難である。                                                                                                                                                                                          食事をバランスよく用意するなどの家事をこなすために、助言などの支援を必要とする。                                                                                  身辺の清潔保持が自発的かつ適切にはできない。                                                                                                                                    対人交流が乏しいか、ひきこもっている。                                                                                                                                            自発的な行動に困難がある。                                                                                                                                                              日常生活の中での発言が適切にできないことがある。                                                                                                                              行動のテンポが他の人と隔たってしまうことがある。                                                                                                                              ストレスが大きいと症状の再燃や悪化をきたしやすい。                                                                                                                            金銭管理ができない場合がある。                                                                                                                                                        社会生活の中でその場に適さない行動をとってしまうことがある。

 (4)

精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。

〇(1)のことは経常的な援助がなければできない。

〇例えば、親しい人間がいないか、あるいはいても家族以外は医療・福祉関係者にとどまる。                                                                              自発性が著しく乏しい。                                                                                                                                                                    自発的な発言が少なく発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。                                                                                                  日常生活において行動のテンポが他の人のペースと大きく隔たってしまう。                                                                                                  些細な出来事で病状の再燃や悪化をきたしやすい。                                                                                                                                金銭管理は困難である。                                                                                                                                                                    日常生活の中でその場に適さない行動をとってしまいがちである。

 (5)

精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

〇(1)のことは援助があってもほとんどできない。

〇入院・入所施設内においては、病棟内・施設内で常時個別の援助を必要とする。                                                                                           在宅の場合においては、医療機関等への外出も自発的にできず、付き添いが必要であったり、往診等の対応が必要となる。                                      家庭生活においても、適切な食事を用意したり、後片付けなどの家事や身辺の清潔保持も自発的には行えず、常時の援助を必要とする

今までの7項目をすべて総合的に評価するものです。

とはいえ点数などで決まるわけではなく、最終的な評価は主治医の判断になります。

例えば、長年引きこもって外出は全くできないが、家の中の掃除や洗濯はできるという人がいます。

日常的な家事をこなすことはできるから(2)と判定するか、ひきこもりで外出できないから(4)とするか、あるいはその中間で(3)とするか…という判断は医師次第ということになります。

いずれにせよ、正確に程度を見てもらうには、やはり日常生活の問題点をしっかり医師に伝えることが必要ということになります。

なお、7項目の日常生活判定との整合性も問われます。日常生活判定が「できる」が多いのに、程度に関しては「多くの面で援助」などとなっている場合は、その理由を診断書の⑪欄(現症日の日常生活活動能力及び労働能力)に具体的に記載してもらいます。

4.まとめ

この記事では、診断書の認定要領を中心にまとめました。

診断書作成で必要なのは「日常生活上の問題点を的確に医師に伝える」という点です。

しかし精神障害の場合、薬をもらいにいくので精いっぱいで、医師とはあまり話ができないという人もいます。

そうすると、本当は症状が重いのに軽く書かれてしまったり、実際の病状とかけ離れた診断書が出来上がってしまうおそれがあります。

もちろん医師も多忙ですから、1から10まで話をするわけにもいきません。

ですから、診断書作成の際に自分の問題点をピンポイントで伝えるのが望ましいということになります。

この記事を少しでも役立ててもらえれば幸いです。

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