相談時の状況(30代・男性)
子供の頃から人と関わることが苦手で、自分ではわからないうちに周りから怒られたりいじめられることがありました。空気が読めない変わり者という扱いをされていました。社会人なり仕事を始めると、他の人よりミスが多く、仕事ができませんでした。すぐに人間関係のトラブルを起こしてしまい、長く働くことができず職場を転々としました。病院を受診し、発達障害と診断されてからは、症状を理解してくれる会社で障害者雇用として就労することができました。その後、発達障害でも障害年金を受給できる可能性があることを知り相談にみえました。
社労士による見解
対人関係を築けないことや、順序立てて物事を考え、行動することができないなど、感覚過敏など発達障害の症状で日常生活にも支障があることや、障害者雇用で働いていることから障害年金の請求ができると思いました。初診日に厚生年金に加入していたので障害年金が受給しやすいと思いました。
受任してから請求までに行ったこと
日常生活能力を詳しく聞き取り症状に合った診断書を作成して頂くことができました。また、就労していることが請求の支障にならないよう、配慮の内容についも詳しく説明して請求を行いました。
コメント
発達障害の場合、大人になってから初めて検査を受け、自分の障害を知る人も多いです。今回の相談者のように、初診日厚生年金に加入していれば、障害年金を受給し易くなります。障害厚生年金は3級まであり、障害厚生年金の3級の場合、額はあまり大きくないですが、最低保証年金額もあります。障害者雇用で働きながら年金を受給することで、収入を落とさず、配慮を受けて働くことが可能になり、結果として生活に余裕が生まれます。もちろん初診日が厚生年金ではなかったとしても、日常生活に支障が出ていれば障害年金の請求は可能です。自分も年金の対象になると思ったら、一度専門家にご相談ください。