相談時の状況(50代・男性)
喉頭がんにより喉頭摘出をして声が出ないため、お姉さまが代理人として来所されました。
4か月前に年金事務所で障害年金の請求をしました。しかし請求した後、審査過程で書類に不備があったとして返戻されてしまいました。お姉さまとしては、年金事務所で言われたとおりに書類を整えて提出したのに、その後なぜか分からないまま、次々に新たな資料を出すように言われ、混乱してしまい、どのようにしたらよいのか分からなくなってご相談に来られました。
社労士による見解
喉頭がんの喉頭摘出で請求したとのことでしたが、詳しくお話を伺うと、既存障害として喉頭乳頭腫があったこと、それが20年前にわかっていたことが判明しました。
この二つの傷病の「相当因果関係」の有無という点で、請求者も年金事務所も混乱したのではないかと考えました。
受任してから請求までに行ったこと
喉頭乳頭種と咽頭がんの発症の経緯を確認しました。
また、医師の診断書の記載に不明確な点があったので、請求をスムーズにするために、重要な点を修正記載していただけるよう依頼しました。
はじめは障害厚生年金での請求でしたが、今回改めて障害基礎年金で請求を出し直しました。
結果
障害基礎年金の2級に認められ、受給することができました。
既存障害と現在の病気との「相当因果関係」と言われても、分からない方がほとんどではないでしょうか。
はじめは、現在の病気のみを取り上げて厚生年金で請求をしてしまったために混乱が生じたと思われます。
また、年金事務所で受け付けた書類は、審査をする部門が別のところにあり、基礎年金と厚生年金はそれぞれ別のところで審査されることになります。
そこから戻って来た書類について、説明を聞き、新たに書類を手配して、何度も年金事務所に足を運んで請求し直すとなったら、とても大変です。
既存障害のある方にとって、癌は初診日の認定が難しい病気のひとつです。是非、障害年金専門の社会保険労務士にご相談下さい。